2021年度の二酸化炭素総排出量は1,064百万トンです。
化石燃料自働車が排出する運輸部門178百万トンの二酸化炭素半分89万トンは、電気自働車の効率が化石燃料自働車2倍のため、すべて電気自動車にすることで減少します。また、エネルギー転換部門の83.7百万トンは、火力発電、石油精製がなくなることから減少します。
これら減少計175.7百万トンを総排出量の1,064.3百万トンから引いた残りの888.6百万トンを電力換算すると19,314億kWhで、カーボンニュートラルのためには、この電力を水素電力貯蔵システムのロス20%と送配電ロス5%の合わせた25%のロスで再生可能エネルギーを利用することからこれらロス分を加算した24,224億kWhがカーボンニュートラルのために追加必要な再生可能エネルギーによる電力となります。
太陽光発電の年間発電量は、一般的に1平方メートルあたり95kWhと言われています。カーボンニュートラルのために必要な追加電力24,224億kWhを太陽光発電により発電するためには25,499 k㎡の面積が必要となり日本の国土面積が364,500 k㎡のため約7%の面積が必要になります。
日本の市街地面積は108,678km²で、国土面積の30%を占めています。市街地にある戸建て住宅、公共施設、工場、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、空港、港湾、鉄道などの建物屋根、空き地などをすべて合わせると、カーボンニュートラル達成に必要な追加電力を発電できる面積があります。さらに、設置した設備での自家消費により、送配電ロスを削減できます。
風力発電は、地上だけでなく海上も含め約2,300億kWhの増設計画があります。
地熱発電は、政府の助成策で2030年までに現状の2~3倍に、90億kWhを増やす計画があります。
水力発電は、佐賀県の東部に位置する吉野ヶ里町に建設された30kW(年間発電量21万kWh)の松隈小水力発電所のように、小さな河川でも設置できる小規模水力発電を全国で建設し電力を増やすことができます。
家畜糞尿バイオマスガス発電では、70.2億kWhまで電力を増やすことができます。
下水汚泥発電では、70.2億kWhまで電力を増やすことができます。
これら再生可能エネルギーは、カーボンニュートラルに必要な24,224億kWhを追加発電できる可能性が十分にあります。
二酸化炭素排出する一般廃棄物燃焼熱利用発電で252億kWhを増やすことができ、これと産業の一部が排出する二酸化炭素の総排出量は、再生可能エネルギーによる電気への移行により森林が吸収・除去する吸収量以下に抑えることができます。
また電気ボイラーを、発熱ユニットボイラーに取り換えることにより工場や公共施設、スーパーマーケットで電気の消費を抑えることができます。
これら電気事業、ガス事業、運輸部門などの二酸化炭素削減策を実施して、再生可能エネルギー発電利用によりカーボンニュートラルを実現することが十分可能です。
「引用」著作物掲載URL
「2021 年度(令和 3 年度)の温室効果ガス排出・吸収量(確報値1)について」
https://www.env.go.jp/content/000128750.pdf
「日本で最小規模の松隈小水力発電所」
https://q0.io/research/matsuguma_01/